ひがし歯科

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歯科医 東のウェブログ

髄膜腫と歯科レントゲン撮影

例のおかしな話

最近のガンの科学誌に載った記事。歯科レントゲンの頻度が増えると髄膜腫のリスクが増加するというもの。髄膜腫は、よくある脳の腫瘍で、通常良性である。

にもかかわらず、この警告的な研究は、全国的なニュースとなり、多くの人に歯科レントゲン撮影時に必要のない恐怖を与える。歯科レントゲンはかなりの低線量であるということは分かり切っているけれど、その論文を読んでみた。

ショックを受けた。

歯科レントゲン撮影が髄膜腫のリスクとなり得ると言っているのではなく、その研究は過去50年間に何枚レントゲン撮影をしたのかを患者さんの記憶で収集しているのだ。

過去5年間に何枚歯科レントゲンを撮影したか言えますか?できるとは思えない。
私自身もそうだ。歯科医師の私でさえ。何人かの患者さんに(内科医も含む)、私の診療所で過去5年間に何枚撮影したのかを訪ねたら、誰一人として正確に答えられなかった。

ひとつ言えることは、全員が、多めに答えたことだ。

一番知りたいのは、なぜ著者は、被験者のかかりつけ歯科医師のところにいって、正確な枚数を調べなかったのか?ということである。

著者の言い分はこうである。
「....歯科治療はふつう多くの歯科医師によってなされてるので、コストを考えたらすべてを回れるものではない。

信じられない。

信頼性があって有効な情報を、正確に研究したいのなら、基本的に多くの時間と費用をかけるべきだ。
おそらく本当の結果は、歯科レントゲン撮影が髄膜腫のリスクを増加させるということにはならないだろう。歯科レントゲン撮影は、歯科での検査の重要なひとつである。18枚法またはパノラマレントゲンは、新患や新たな処置をするひとには通常必要である。2枚から4枚の経過観察のためや定期検査のためのバイトウィングというレントゲン撮影は、6ヶ月から2年ごとには必要である。歯科レントゲンは多くの理由で重要である。

見えない部分の虫歯、歯根膿瘍、歯根嚢胞、腫瘍、埋伏歯、過剰歯、根管充填の状態、補綴物や根管の状態がわかる。歯周病での歯槽骨レベルがわかる、歯石の沈着部位がわかる、歯肉や骨内の異物がわかる、インプラントに必要な骨量わかる。歯科医師が歯科レントゲンを信頼する多くの理由があるのだ。歯科レントゲンの被爆線量は低レベルである。
18枚法は、胃腸のレントゲン撮影の1/27であるし、1年間の普通に生活していて浴びる自然放射線量の1/20である。4枚のバイトウィング撮影は、自然放射線量の1/79である。

これくらい低レベルの線量にもかかわらず、歯科医師は最小の放射線量になるように気を配っている。
特別のハイスピードフイルムを使ったり、デジタルレントゲンを使ったり、撮影時に鉛のエプロンを使用したりする。

歯科レントゲン撮影は安全で、患者さんにも歯科医師にも大変重要であり、根拠のない被爆に恐れて、避けるべきではない。

著者のElizabeth B. Claus博士は、今まで読んだ医科のひとのなかで一番無責任な人間のひとりである。
この研究に歯科医師がひとりも参加していないことも興味深い。さらに疑問が残る。歯科レントゲンで脳の腫瘍を作ることが可能なのか?もちろん可能である。しかしまず起きないし、信頼できる研究が行われるまでは事実ではない。

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