ひがし歯科

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MTAとレジンの比較

歯根端切除術のときはMTAとレジンのどちらがよいのだろうか?

歯根端切除術の目的のひとつは、根尖を切断後、根管を緊密に封鎖することであり、根尖周囲の組織と感染した根管の刺激物との間にバリアをつくって治癒に導く。封鎖は、根尖部の形成と材料による充填により達成される。根尖部の形成方法も材料も多岐にわたる。

昔から歯根端切除術の歯の切断面の形成には改定器具が使われてきた。1990年代の初期に超音波や音波により動くマイクロチップにより形成する装置が登場した。依然としてファイルを使う臨床家もいた。これらのテクニックはすべてある深さまでの根管の探索に使われる。しかレトロプラストテクニックは、違った方法である。狭い凹型を丸型のダイアモンドバーで形成する。凹部は切断歯根面を歯根膜に届かない範囲ですべて覆っている。形成した部分は最終的にはレトロプラストという逆根管充填用の液状のコンポジットレジンで、エッチングとプライミングボンディングの後に充填される。出血のコントロールが重要である。確実な封鎖をするために象牙質接着性のレジンを使用している。

レトロプラストテクニックは1989年に紹介され長い歴史があるが、
MunksgaardEC, Rud J, Asmussen E, Retrograd rodfyldning med plast og dentinbinder(in Danish). Tandlaegebladet 1989;93:157-60
MTAがレトロフィリングに使われたのが、1999年である。近年はMTAは、覆髄、アペキフィケーション、逆根管充填として幅広く使用されている。しかし歯根端切除術での逆根充の材料として、他の材料との比較をした研究が少ないので、比較をした。
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353の歯根端切除術の症例。MTAが178ケース。レトロプラストが175ケース。
1年後、臨床症状または兆候がなく、レントゲン的に問題がないかどうかを調べて、治癒、治癒していないに分類した。複根管の場合は、1根管の治癒がよくなければ、治癒していない歯と分類した。

全体の治癒率は85.5%であった。MTMグループは91.3%で、レトロプラストグループは79.5%であった。レトロプラストグループは下顎小臼歯、下顎大臼歯ではさらに低い治癒率であった。

歯根端切除術の根管充填材料はMTAが推奨される。レトロプラストは下顎小臼歯、下顎大臼歯には避けたほうがよい。
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MTAは10年くらいまえから、学会誌に毎回登場しているが、やはり成績はいい。ひがし歯科でもMTAは使っていますが、非常に高価な材料です。

T.Arx, S.Hnni,S Jensen, Clinical results with two different Methods of Root-end preparation and filling in apical surgery: Mineral Trioxide Aggregate and adhesive resin composite, JOE, vol26, 2010.7, 11221129

2010-10-12 根管洗浄でのシリンジの位置 上顎洞挙上術における頬側-口蓋側間の距離の影響
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