ひがし歯科

ひがし歯科への診療予約は06-4809-0008まで。月曜日~金曜日は9時~20時まで受け付けております(土曜日は13時まで、日祝は休診です)。

歯科医 東のウェブログ

知覚過敏用の歯磨剤

リン酸カルシウムナトリウムと硝酸カリウムを比較した。

象牙質知覚過敏症は、他の病因論では説明できない短く鋭い痛みが、露出した象牙質から、様々な刺激、温、冷、化学、浸透により起こることと定義されている。象牙質知覚過敏症は人口の8%から35%がその症状をもっている。発生率のピークは30歳代から40歳代である。

多くの疫学的因子と誘発因子が報告されている。咬耗、摩耗、腐蝕によるエナメル質の喪失と根面露出がよく指摘されている。歯根露出は多因性であり、長い間の強いブラッシング、異常な咬合力による歯のたわみ、異常習癖、歯周病、外症、歯周外科、酸性のダイエット食品などが指摘されている。
象牙質知覚過敏症は動水力学説(Braennstroem, Astroem;1964)で説明可能である。レーザー、イオン導入法、象牙細管の封鎖、遊離歯肉移植など多くの治療法があるがゴールドスタンダードというものはない。
最近は2つの治療法が使われている。象牙細管の閉鎖と、神経のブロックである。
象牙細管の閉鎖は、物理的化学的に象牙細管を閉鎖する層をつくる。レーザーや象牙質用のシーラー、遊離歯肉移植。神経ブロックの方法は、カリウムイオンが使われる。カリウムイオンは象牙細管に入って、神経終末の細胞膜を脱分極させて、神経の反応を減らす。
両方とも効果はあるが、ブラッシングの摩耗や酸の存在や分解でまた再発する。
それを改善するのにリン酸カルシウムナトリウムの使用についてインドのカルナータカのGoverment Dental Collegeの歯周病科の研究者が比較した。

110人の患者(男性58人、女性52人、20歳から60歳)、歯肉退縮またはエナメル質欠損で知覚過敏症の病歴があるひと。被験者はVASで4以上の歯をもつものに限定した。ベースラインでエアー刺激(帰化刺激)と冷水刺激(温度刺激)により痛みを記録した後、被験者はランダムに歯磨剤(5%リン酸カルシウムナトリウム、5%硝酸カリウム、プラセボ)を渡された。2週間ごと6週間後に痛みのスコアを測定した。

3グループとも2週間後6週間後のエアー刺激と冷水刺激への痛みは減少した。リン酸カルシウムナトリウムグループが、ほかの2つのグループよりVASのスコアが有意に減少した。

AR Pradeep, Anuj Sharma, Comparison of Clinical Efficacy of aDentifrice Containing Calcium Sodium Phosphosilicate to a Dentifrice Containing Potassium Nitrate and to a Placebo on Dentinal Hypersensitivity:A Randomized Clinical Trial: J.Perio 2010, vol 81, 1167-1173

Braennstroem M, Astroem A. A study on the mechanism of pain elicited from the dentin, J Dent Res 1964;43:619-625

2010-09-14 義歯での口内炎 Nd:YAGレーザーの評価
新着情報ここまで