ひがし歯科

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アジスロマイシン

アジスロマイシン

感染症はしばしば抗菌薬投与で治療が行われる。歯周病も例外ではない。メトロニダゾールとアモキシリンは広く使用されているが、最近はアジスロマイシンが興味深い。

アジスロマイシンは有望な半合成の広スペクトルの静菌性の薬剤で、急速に細胞に吸収される。炎症部位の薬剤の濃度は血清での濃度より10倍から100倍高い。3日から5日間、1日1回服用なので、患者のコンプライアンスは高い。

ブラジルのサンパウロのグアルリョス大学の研究者が、被験者38人で19人をSRP単独、19人をSRP+アジスロマイシン1日1回5日間投与として比較した。ベースラインと6ヶ月、12ヶ月で歯周病検査と歯肉縁下のバイオフィルム採取を行った。

浸潤麻酔下で2時間枠でフルマウスSRPを、2週間間隔で4回から6回行った。

1年後、両グループとも有意に治癒が認められたが、両者に有意差は認められなかった。両者ともまだポケットは残存していた。ブリーディングを伴う5mm以上のポケットが平均3~4ヶ所残存していたがSRPグループのポケットは3.8mm減少した。これはベースラインでの深いポケットの数が原因である。外科処置をしなくても"very deep site"が"deep site"に変化した。
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慢性歯周炎では基本は正しいSRPであり、抗菌薬投与がよいというわけではない。

Sampaio, E., Rocha, M., Figueiredo, L., Faveri, M., Duarte, P., Lira, A, Feres, M.: Clinical and Microbiological Effects of Azithromycin in the Treatment of Generalized Chronic Periodontitis: A Randomized Placebo-Controlled Clinical Trial. J Clin Perio 38: 838-846, 2011.

2011-12-01 インプラント周囲炎とエアーポリッシング 歯周病と抗菌薬
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